賃金未払いを無くそう

Shuichi Wada
ワダ シュウイチ


私は数年前まで、従業員60名ほどの川崎にある装置製造、販売の会社に勤めていました。
仕事の忙しい時は、月に100時間以上の残業が有り自分の時間も余り持てない事もよくありました。

勤務を始める際の労働条件には残業代の支給に確かな明言は無く、一時金支払い時に残業に見合った額を支払うと言われ続けてきました。
しかし実際には、一時金支払い時に残業の賃金は反映去れて無く、勤続年数を重ねるにつれて、疑問と不信感を抱く様になりました。
ただ何もしなかったわけではありません。定期的に会社側から質問される「会社を良くするには?」と題したアンケートに「残業代に見合った一時金を支給されて無い」、「この給料形態では仕事するモチベーションが上がらない」等の意見は述べてきました。しかし、会社側はアンケートと取るだけで意見に耳を傾ける事はありませんでした。
そんな会社の偽善じみた行動にも嫌気を感じていました。
どうにか会社に賃金未払いを無くしたかったので、次に私が取った行動は匿名で、労働基準監督署に会社の実態を伝えた上で監督・指導をしてもらえる様、お願いしました。
数日後、「抜打ち調査」として労働基準監督署からの実態調査がありました。その後の報告で、「調査・監督・指導」を行ったと聞きました。
会社の体質は変わることは無く、以前より酷い状態になりました。労働基準監督署の指導が入った事により、いかに「違反を指摘されないようにする」かの会社にとって有利になる改善しかされませんでした。
その後もう一度、労働基準監督署に話しをしに行きました。「再度、調査はするが、匿名希望である以上、突っ込んだ調査ができません」との事でした。

月日が経ち、勤めていた会社を辞めることになり、転職した会社では労働基準法はちゃんと守られていました。守られている環境が当然になりつつある生活をしている時、ふと前の会社の仲間の事を思いかえしました。「まだ会社の言い成り?」、「会社のやりたい放題に付き合っているのか?」等の思いが頭をよぎりました。残された仲間の為になるかどうかは解りませんが、再度、労働基準監督署に話しをしに行きました。今度は匿名では無く、自分の名前を出す事にしました。会社の不正となっている物的証拠(タイムカードのコピー、給料明細のコピー等)を持って「自分が勤めていた間、一切の残業代は支払われて無く、その状態は現在も続いている。改善を求めて欲しい」と申し出ました。そうする事で、残された仲間にもちゃんとした賃金が支払われると考えたからです。労働基準監督署の指示で、はじめに自分から会社に申し出て、「従わない場合は労働基準監督署に申告します」と話しました。会社側の回答は「未払い賃金+αのお金を払うので、労働基準監督署には話さないで欲しい」と口封じをして来ました。
その後、数回会社と話しましたが、結果は口封じを繰り返すだけでしたので、私は労働基準監督署に申告しました。

その後、労働基準監督署からの指導が数回あり、賃金の未払いは無くなった様です。
今まで綴ってきた事の行動が正しいかどうかは解りませんが、会社が行ってきた事は法律的にも間違っていたのは事実です。現に賃金未払いの会社・企業は多く存在すると思います。しかし、それを見逃すのは悔しいと思いました。私が勤めている間に改善は見られなかったですが、今は良い方向に転がったので、行動した甲斐があったと思います。残念な事は、「口封じ」の事実もあったことです。この事は本当に理解に苦しみ、切ない気持ちになりました。

最後に、もしこの記事に目を通してくれた人で同じ環境に立たされている人がいたら、「行動」を起こすのも一つの手段と思って下さい。実際、行動するにあたっては相当の体力・時間を費やしましたが、私の場合は「とりあえず行動しなきゃ」で動いて、結果がついてきました。


以上です。
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