My Work

kumiko
私は現在とあるメーカーの財務・経理部に所属しています。1年3ヶ月前に他部署から異動してきました。
仕事内容は会社が商品製作の為に購入したものに対する支払いの管理です。具体的には毎月届く大量の請求書を1枚1枚チェックし、請求額を購入先に間違いなく支払うようにデータ処理をしています。外部はおろか他部署との関わりはほとんどなく、電話もほぼ鳴りません。月単位で繰り返される、単調で退屈なルーティーンワークに私はまだ完全に慣れることが出来ずにいます。
 
部署には4つのグループがあり、各グループにそれぞれリーダーがいます。私のグループではリーダーと部下との関係は非常に一方的なものです。リーダーが何か決断をする時、担当者である部下に意見を求めることはほとんどありません。まるでピラミッドのような組織です。普段、上司とは書類に判子を貰う時以外ほとんど口を利くことはありません。「お願いします」「ありがとうございます」それだけです。

また、グループ内の人間関係もとても薄いものです。私は隣の人が今どんな仕事をどれくらいの量こなしているのか知りません。お互いの情報を交換する為のミーティングが全く開かれない為です。何度か周囲に疑問を投げかけてみましたが、「ルーティーンワークだから必要ないでしょう」と言われて終わりました。

古い会社ですし、お金を扱うという仕事柄、以前は専門職のような扱いを受けていたこともあったそうです。入社してから10年以上ずっと同じ仕事をしているという人が何人もいます。皆、朝が来たら会社へ来て、定時が来たら帰っていきます。求められているのは、私達個人の能力や個性ではありません。日々の業務をミスなくこなし、上司の要望に意見をせず、もくもくと機械のように働く人間なら誰でも良いのです。適材適所なんて口ばかりです。

私の周りには、そんな生活を繰り返してきたせいか、新しいものや周囲が変化することに対して必要以上に恐れを抱いたり、それを拒絶することで自分を守ろうとしたりする人がいます。皆、毎日デスク上の書類やパソコンとしか向き合っていないので頭が固くなって、コミュニケーションの能力が退化していっているのではないかと思います。


もしかするとそういう人達の中にも初めはそんな状況に疑問を持ったことがある人もいたのかもしれません。しかし、皆日々の仕事に追われ、それをどうにもならないことと諦めてしまったのではないかと思います。そうして自分も流れの一部になったのでしょう。

しかし、問題はそこからは次のリーダーが育っていかないということです。そして頭を他人に預けてしまった意識の無い人たちの間で同じことが繰り返されるのです。本当に悪循環です。

この就職氷河期に何甘いことを言っているのだと思われるかもしれません。仕事があるだけ有難いと思わなければいけないのかもしれません。

しかし、私はストレスを感じながら1日の大部分の時間を費やして、得ているものがお金だけという現状をとても辛いと感じています。相談する人の多くは「仕事は仕事と割り切って、他で何かを見つけなさい」と言います。私もそう出来れば良いのにと自分の不器用さに呆れます。でも、どうしても私は仕事とそれ以外のことを分けて、上手く代わりにすることが出来ないのです。「100%の出来でなくても終われば良い」「適度に働いて安定した給料がもらえればいい」そういう人たちの仲間にはまだなれそうにありません。

今後は、ポジティブな気持ちで仕事に取り組める環境を作る為に、まず同じ考えを持つ信頼出来る人を見つけていきたいと思います。仕事をする上で人間関係は何よりも大切です。仕事の内容がどんなに単純で退屈でも、それさえ上手くいっていれば少しはストレスを減らすことが出来るのではないかと思います。最初は小規模でも良いので同じ考えを持つ人たちの間でお互いが今どんな仕事をしていて、どんな問題を抱えているのか情報を交換し、問題があれば解決の為に意見を出し合ったり、自分の持っている知識を分け合ったりする。そんなところから始めていければと思います。そしてそれが徐々にグループや部署全体の雰囲気を変えていくようなことになっていけば良いと思います。
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